私が小学生の頃、雑誌の懸賞に応募すると翌月に「○○の当選者」と称し、居住都道府県・氏名・年齢が雑誌に掲載されていた。また、インターネットがまだない時代だったので、雑誌の後ろの方には「ペンフレンド募集」のコーナーがあり、文通相手を探すため、自分の住所・氏名・年齢・どんな文通相手が欲しいかの希望などが公開された。何通か来た手紙に返事を書いて、郵便局で記念切手を買って、「返事がきますように」とドキドキしながらポストに投函した記憶があります。何度かやり取りして、そのうちに自然消滅…ということも頻繁にありました。返事がなくなった時はショックで、「何か怒らせるようなことを書いてしまったかな?」など1日悩んだりしたものでした。話は脱線してしまいましたが、今の個人情報保護という概念がなかった時代のことです。その例からも分かるように、いつからか日本は徐々に平和ではなくなってしまったように思います。昔は、近所に不審者がいると瞬く間にご近所で噂になり、自然と防犯になっていました。また近所の子供を自分の子供と同じように叱ったり、褒めたりもしました。「最近○○さんのおばあちゃん見ないわね、具合でも悪いのかしら?」と安否を確認したり、ご近所ネットワークが機能していました。近所に誰が住んでいるかも皆が把握しており、家族で情報を共有していました。お母さんはゴミ出し、買い物、日常の家庭生活の中で、お父さんは最寄りの駅までの通勤や会社帰り駅までの帰り道、子どもたちは学校や塾、おじいちゃんは囲碁やゲートボールや近所での散歩、おばあちゃんは商店街での買い物やご近所付き合いの中で…など地域社会の情報をそれぞれ持っており、家庭の中で共有していました。

核家族になり、マンション暮らしになり、1人暮らしになり、そしてコロナ禍になり…どんどん地域の見守り力が低下してきているように思います。マンション暮らしでは、両隣や上下階に誰が住んでいるか知らない、という話をよく耳にします。ずーっとスマホを見ているから挨拶をしないのです。他人の顔を見ないから記憶に残らないのです。これは、インターネット社会や核家族化がもたらした弊害だと思います。

昭和の時代に戻す、というのは難しいかもしれませんが、少なくとも「地域の見守り力」を少しずつ元に戻していく方向も考えていきたいと思います。町内会、自治会、消防団などはとても頑張ってくれています。防犯の標語の看板を設置したり、地域での防災訓練、救命訓練、夜回り…こういった活動をもっと区政の中で推進し「地域の見守り力」を強化し、子ども・女性・お年寄りが安心して暮らせる大田区にしていきたいと思います。是非、皆さまのご意見をお聞かせください。

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