【議会質問】大田区の災害対策:狭い私道に潜む危険性と「狭あい道路拡幅整備条例」について
先日の令和8年第2回定例会における一般質問にて、「私道における区の条例の運用」について取り上げました。
■ 消防車両が入れない?「消防活動困難地域」の現実
私は日頃から消防団員としても活動しておりますが、初期消火で火災を食い止めることの重要性を日々痛感しています。 先日、矢口消防署で行われた震災図上訓練に参加した際、改めて深刻な地域課題に直面しました。大田区内には狭い私道が多く存在しており、中には消防団の「可搬消防ポンプ積載車」すら進入できない場所があるのです。
特に西蒲田4丁目から5丁目にかけての一部地域は「消防活動困難地域」とされています。積載車が入れないだけでなく、水源となる消火栓や防火水槽からも距離があり、消火のためにホースを何本も接続しなければならない状況です。 身近な場所がそのような危険な状況にあると知り、「いかにしてこの地域の方たちの命を救うか」を深く考えさせられました。
■ 「大田区狭あい道路拡幅整備条例」の役割
区では、災害に強いまちづくりと安全で快適な住環境の形成を目的として、平成16年に「大田区狭あい道路拡幅整備条例」を制定しています。 この条例により、現在建替え工事を行う際には、建築主は敷地と狭あい道路(狭い道)との境界線と、道路の中心線から「2メートルの水平距離」を確保し、道路を拡幅するよう運用されています。建替え時には区の建築調整課と協議を行い、近隣の方々と良好な関係を維持しながら工事に着工する流れとなっています。
■ 古い私道におけるトラブルと潜む危険性
しかし、課題となっているのが「平成16年の条例制定以前の私道」の扱いです。 現状では、私道上にプランターやブロックが置かれたり、常時車や自転車が停められて駐車場代わりに占拠されたりしており、これが原因で近隣住民との間でトラブルになっているというご相談をいただくことがあります。緊急時の避難や消防活動の妨げになる可能性があり、非常に憂慮すべき事態です。
■ 区への要望:わかりやすい広報で「危険性」の周知を
条例制定前に建てられた建物の所有者の方々にも、将来建替えを行う際には事前協議が必須となることや、近隣住民との良好な関係性を保つ大切さを知っていただく必要があります。 何より、「条例の趣旨(道路を広げる理由)をご理解いただけないまま私道を塞ぐこと等によって、いかに深刻な危険性が潜んでいるか」を皆様に広く知っていただかなければなりません。
そこで私は区に対し、現在の状況をどう捉えているか確認するとともに、以下のような要望を強くお伝えしました。
●区民の皆さまに条例の内容を理解していただくだけでなく、未整備・私道占拠等による「危険性」をわかりやすく図解などで示すこと。
●条例制定の背景への理解を深めていただくため、区報やSNS、公設掲示板などを活用して積極的に広報を行うこと。
■ 区の回答
●私道は所有者の財産であり、行政による一律の強制は困難だが、個別状況に応じ注意喚起や働きかけを実施していく。
●条例の趣旨や危険性を図解などで分かりやすく示し、区報・SNS・公設掲示板を活用した積極的な広報で理解促進を行う。
災害時に一人でも多くの区民の命を救えるよう、そして皆様が安全で快適に暮らせる住環境を守るため、これからも全力でまちづくりの課題に取り組んでまいります。


